どの時代も、私たちに何かを与えつつ、何かを奪っていきます。
人には耐える人もいれば、そうでない人もいます。
耐える背景には、長い歴史や遺伝が絡んでおり、これが大きな改革を必要としていることを示しています。
長期にわたって耐えてきた人々の感情は、いずれ爆発する可能性があります。だからこそ、耐えることを止め、新しい生き方への転換が求められています。
ここで、耐えることを止め、内面的な変革を目指す探求を進めましょう。
苦しんで耐え忍んだ経験を力に変え、自己中心的でなく、向上心を持って耐えない生き方を選びたいと思います。
長く耐え続けた人々
依存することも甘えることもできない環境で生きる人々がいます。
孤独と対峙する中で、耐え忍ぶことが生き延びるための戦略になります。常に不安と恐怖が付きまといます。
親を怖れ、また周囲に受け入れられたいと願い、従順さが求められることがあります。
友だちに好かれたい、集団から排除されたくないと願います。
周りに順応し、失望させないよう振る舞うよう教えられてきます。
また、他人に対する思いやりも重要です。
もし弟が既に何かを得ていれば、自分がさらに何かを要求することは迷惑だと思うかもしれません。
疲れている親を見て、自分が耐えることで誰も困らせないと感じることもあります。
誰かを不快にしたくない、場の和を乱したくないと思います。
周りに迷惑をかけず、配慮しながら負担を避け、サポートを続けるよう努めます。
長く耐えてきた人ほど、自分のデメリットを最小限に抑えつつ、他人のデメリットも軽減するために知恵と体力を使い果たしてしまいます。
自分の利益をほとんど考えず、見返りがなければ、その耐える行動に疑問を持ち、ストレスと怒りが増し、苦しさが深まる一方です。
耐えることの二面性
耐える行動には主に二つのタイプがあります。
・自己を守るための耐える
・他者を考慮しての耐える
※実際にはどちらも最終的には「自己のため」でありながら、他者を考慮するタイプは自分を中心に考えない傾向があります。
耐えるとは、自分自身を制限し、感情を抑える行為です。これは利益を追求するよりも、自己保護を優先し、損失を最小限に抑える選択となります。
自己のために耐える場合でも他者のために耐える場合でも、その目的はリスクを避け、不安や恐怖に対処し、満足できない状況や納得できない状況に対応することにあります。
この行為は、不快な現実から目を逸らし、巧みにかわすことで自分を守る手段となります。
さらに、「自己のため」に耐える場合には、個人的なリスクの回避という側面が強調されます。
個人のための耐え方に見る攻撃性
個人的なリスクを避ける行動は、しばしば自己の脆弱性を隠す目的を持っています。以下のような特徴が挙げられます。
・復讐心を持ちやすい
・強い刺激や快楽を求める
・親しい人に対してのみ厳しく当たる
・特定の人に対してだけ排他的な態度を取る（無視や敵意を示す）
・他人からの認知を強く求め、自分を特別視してほしいと願う
・自己批判的であり、自分に対しても攻撃的
・攻撃的な態度は内向きと外向きの両方で表れる
※外向きの攻撃は特定の対象に限られることが多いです
表面上は我慢しているように見えますが、家では親しい人に対して厳しく当たることがあります。
脆弱性を隠すために我慢することは、怒りや悲しみを内部に抑え込み、それが何らかのはけ口を求める原因となります。
日常の抑圧から逃れるために、強い刺激や快楽を求めることがあり、場合によっては不正行為に手を染め、特別感を求めることもあります。
攻撃性を他責にすることは、他人には自分を隠しながら、自己の脆弱性を隠すことの一因です。
他者のために耐えることは自己に対する勝利
他者のために耐える行為は、その本質で自分自身に打ち勝つために行われます。
このタイプの人々は内面的に非常に強いですが、しばしば抑圧により自尊心や自己評価が低下し、外から見ると必ずしも強くは映りません。
ここで言う「強さ」とは、単に勝つことではなく、折れない精神力を指します。
この耐える行動は全体の調和を保つことを目指し、広い視野で全体を俯瞰します。
以下のような特徴があります。
・自己責任感が強い
・洞察力が高い
・全体の利益を重視する
・苦痛を抱え込んで他人には見せない
・他人に依存せず、利用もしない
・自己認識が鋭く、時に固執する
・他人には嘘をつくことがあっても、自分には決して嘘をつかない
抑え込むことが多く、それが身体や心の不調につながることがあります。
何より、目にしたもの、感じたこと、考えたことを自分自身で正直に評価するため、誠実さが一貫しています。
事実を曖昧にすることができず、それが更なる耐えることや苦痛を招く原因となります。
ルールを守るためではなく、独自の信念を持ち、時に変わり者と見られることもあります。
このような人々は、自己に負けないための強固な意志を持っています。
事実を曲げず、認識を歪めず、楽な道を選ばずに直面する勇気があります。
我慢がクセになるリスク
多くの人が「自分のため」と「他人のため」の両方で耐え忍びますが、他人のために耐える割合が高くなると問題が生じます。
自己愛が育たず、自分を受け入れることが難しくなります。
自分を肯定することや、自分の価値を認めることが困難になることがあります。
耐えることが習慣化し、行動が受動的になると、「何のために耐えているのか？」その目的を見失うことがあります。知らず知らずのうちに無意識に耐え続けることがあります。
自分のために明確に耐える場合は、ストレスの発散方法を見つけやすく、他人に八つ当たりすることも少なくなり、苦痛が少なくなります。
一方で、自己中心的な耐え方は他責に走りがちで、自分だけのための耐え方は注意が必要です。
他人のために耐えることが生活の一部となり、その習慣が身につきすぎると自由が制限されます。
適度な「自分のため」の耐えることが、精神のバランスを取る上で非常に重要です。
この理解は極めて重要です。
耐えることを止める手段
耐えることには仏教的な意味合いが含まれることがあり、これが役立つこともあります。
耐える行動を止めるためには、その行動の目的をはっきりさせることが重要です。
耐えることは、しばしば無知や傲慢を象徴するとされますが、問題は耐える対象が無知や傲慢に向けられがちな点です。耐える目的や方向を変えることで、無知や傲慢から離れることができます。
ここで強調したいのは、「自分自身との戦いとしての耐えることを止める」という点です。
自己との戦いを終えることが、耐えることを止める本質的な意味となります。
自分自身との葛藤の理由
「なぜ自分と戦うのか？」「自分を嫌っているのか、それとも壊したいのか？」
「自分を許せないのか？」
これらの問いに対する一つの答えは、「自分が望まない自己像を受け入れることができないから」となります。
「自分の内なる声を無視し続けることで、自分自身と向き合うことが怖くなってしまった」と感じている人も多いです。
「もっと自分を強くしなければ」という思いに駆られることもあります。私自身もかつてはこの思いに駆られていました。「もっと強くならなくては！」と。
一般的には、「このままではいけない」と感じる不満が背景にあります。自己否定の感情もあるものの、それを上回る不満と恐怖が存在します。
何を恐れているのかと問われれば、それは自分自身です。自分に対する恐怖から、自分に負けないように戦おうとする気持ちが生まれます。
考慮すべき点として、所属欲求が満たされていないことがあります。所属感の欠如が不安と恐怖を生み出し、一人で生き抜くために耐えることが多くなります。
幼いころから頼るべき人がおらず、自分一人で切り抜けなければならなかった環境では、愛と所属を求める自己を抑え込む必要がありました。
しかし、その結果、怒りや悲しみ、拒否感、排斥感が蓄積され、抑え込まなければ扱いきれないほどの脅威となってしまいます。
自分を潜在的に恐れるため、自己を維持するために「負けてはならない」という心の動きが不可欠になります。
抑え込まれた感情の解放
長期間にわたる我慢が、心と体に感情やエネルギーを抑え込む結果をもたらします。
これを解放するためには、まず第一歩としてこれらの感情やエネルギーを解き放つことが必要です。
ただし、どのような感情が抑圧されているかは人それぞれです。
抱えている感情の種類—怒りであれば、悲しみであれば—によって、その解放の方法も異なります。
何よりもまず、自分自身を客観的に見つめ直し、深く理解することが重要です。
そして、抑圧された感情を解放するために具体的な行動をとることが求められます。
自己との協調
抑圧を解放する方法の一つは、自己と敵対するのではなく、協力者として接することです。
自分自身と戦うことは、自己に敵対している状態を意味し、より建設的なアプローチは、自己と和解し、同じ側に立つことです。
自分自身を深く理解するための一つの方法として、私の個人的な経験を共有します。私はかつて、恐れていた自分自身に人生を委ねる決断をしました。
自分に対して完全に手を放し、「人生は君のものだ、自由にしていい」と自分に言い聞かせました。
その結果、「まだやったことがないことに挑戦しよう！」と決意し、海外旅行を始めました。この旅は五年間にわたり続きました。
この行動は、単に好きなことを追求しているのではなく、自分を許し、自己許可を続けることを意味します。外から見ればただの「旅」のようですが、これは自己との和解のプロセスでした。
会社員としての生活を終え、海外への旅をスタートさせたことで、私の人生は大きく変わり始めました。
行動を起こす勇気
耐えることを止めるのは難しいですが、自分自身を味方につけることで、「試してみよう」と決断しやすくなります。だからこそ、まずは自分を支える姿勢から始めてみましょう。
もしやりたいことが見つからない場合は、自己受容を深めることで、自分自身をサポーターにすることが重要です。
この過程を経て、自然にやりたいことが見つかるはずです。
コミュニティへの参加
耐えることを止めるためには、他人との交流が非常に重要です。
その際、ストレスを増やすような人間関係を選んでしまうと逆効果になるため、安心感やリラックスできる環境であるかどうかをしっかり見極めることが大切です。
忍耐力としての我慢
自分自身との葛藤を受け入れ、責任感を少し緩めることが含まれます。
他人のために耐える人々は、非常に優しいと感じられることが多いです。
誤解を避けるために、自己責任の感じ方を調整し、全体の調和を保とうと努力する姿が見られます。
「自分のために生きる」ことも大切ですが、他人のために努力できる能力は、高い許容力と耐える力を持っている証拠です。これを他人への貢献に活かすことができます。
「他人の喜びのために、この人が豊かな心を持てるように」と他人に焦点を当てることで、我慢は忍耐力へと変わります。
忍耐力は他人を支えるための価値ある力となります。
我慢を忍耐力に変えるには、敗北を受け入れる心持ちが必要で、他人のためという明確な目的を持つことが大切です。
「この人のために耐える」と自覚した瞬間、それはもう忍耐力になっているのです。
我慢の維持と制御
我慢は非常に重要な行動であり、自己保護や損失回避、望まない事態の管理に役立ちます。
ただし、自分のためと他人のためのバランスを保つことが重要で、このバランスが崩れると、我慢が止まらなくなり、自己中心的な行動や他人を非難する傾向が生じる可能性があります。
場面に応じて我慢の使い分けを学ぶことで、適切な自己制御が可能になります。
「この場面では我慢し、この場面では我慢しない」と意識的に選択することが重要です。
我慢の必要性とその違いを理解し、行動の背後にある意味や目的を明確にすることで、自然と自己制御が向上します。
制御としての我慢は、単なる抑圧ではなく、自己管理へとつながります。何を言わないか、それが何のために、誰のために、そして誰がその結果を喜ぶのかを見極めながら使うことが効果的です。
